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奈良県植物機能活用クラスター協議会
トップページ研究成果>テーマ1−2 大和マナ
研究成果

テーマ1−2
大和マナの抗炎症機能等の評価及び栽培・食品への活用

 
自家不和合性遺伝子を利用した育種技術の開発
 大和マナは、これまで各農家で集団栽培されてきたため、草丈や葉の形状などの表現型でのバラツキや下葉の黄化等に問題があり、均一な優良品種が強く求められていました。そこで、本プログラムで自家不和合性遺伝子(S遺伝子)を利用した効率的な優良品種(F1ハイブリッド採種)に取り組みました(図1)。
 
図1 F1採取法
 
 大和マナが含まれるアブラナ科植物には自家不和合性という性質があり育種作業上大きな課題でした。そこで、まず最初に、大和マナの各個体のS遺伝子の型を網羅的に解明しました(図2)。 次に、自殖により対立するS遺伝子が同じ(ホモ)であるF1ハイブリッド採種用の親系統の作出に取り組みました。このとき、同時に表現型や黄化の程度、成長の速度等にも着目しながら個体を選抜し、それらの関連遺伝子についてもホモ化を進めました。
 この方法によって得られる親系統群は、S遺伝子の型が判明しているので、事前に互いの交配の可否がわかっており、従来より早く有望な品種を育成することができます。この方法により、冬用品種の「冬なら菜」、夏用品種の「夏なら菜」の2品種の育種に成功しました。
 
図2 S遺伝子塩基配列の解析
 
抗炎症機能の評価
 大和マナの抽出物に、マクロファージ(白血球の1種)における炎症性サイトカイン(IL-1β)産生抑制作用があること、並びに作用物質の1つがフェネチルイソチオシアネート(PEITC)であることを見出したことが研究の発端となりました。
 PEITCの生理活性を調べたところ、骨の炎症(関節リウマチ)について2mg/kg腹腔内投与で炎症スコアを有意に低下させました(図3)。また、血管壁の炎症(動脈硬化)、粘膜の炎症(潰瘍性大腸炎)、全身性炎症(敗血症)などについても細胞や病態モデル動物を使って検討した結果、抑制傾向を示しました。
図3 PEITCの抗リウマチ効果
 
体重抑制機能及び脂質吸収抑制機能の評価
 食餌誘導性肥満モデルマウスに、大和マナの含有成分であるフェネチルグルコシノレート(PEGLS)およびブテニルグルコシノレート(BUGLS)を長期間混餌投与すると、マウスの体重増加および脂肪の蓄積が抑制される傾向を示すことを見出しました。さらに、BUGLSは脂質吸収抑制作用を示すことを見出しました。また、大和マナの熱水抽出物の高濃度投与(2000mg/kg、抽出物2000mgは新鮮重92.6g相当)により、糖(スターチ)負荷後30分経過時のマウスの血糖値を有意に抑制することを見出しました。
 
 
 
 
詳細な研究成果は下記をご覧下さい。
 
  機能性評価   大和マナの機能性の評価 
  育種技術   大和マナの効率的育種技術の開発 
 
◎研究の詳細技術資料は、各研究毎にA4サイズ1ページから2ページです。
  PDF形式になっておりますので、「PDF」アイコンをクリックしてご覧ください。
 
 


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